| No.1748 | 投稿日時: | 2006/02/03(金) 21:26 <↑親記事:No.1747> |
| 投稿者: | Tuba_Trombone |
HMVのレビューに次のように、今回の第9の映像について説明がありました。
1968年の第9が復活!
カラヤン/映像版ベートーヴェン全集
ファンの間で“幻”とまでいわれていた1968年の第9番がついに復活。ヤノヴィッツ、ルートヴィヒ、ベリ−というカラヤンお気に入りの名歌手に、クナッパーツブッシュとの『パルジファル』やケンペとの『ローエングリン』で知られる名ヘルデン・テノール、ジェス・トーマスが加わった、きわめて豪華なソリストも魅力です。
カラヤンによる1度目のベートーヴェン:交響曲全集は、1967年から1972年にかけて製作されたものですが、VHSやLD、国内DVD発売時には、第9番が1977年ジルヴェスター・コンサートでのライヴ収録盤になぜか差し替えられてしまい、この1968年の第9は大昔に8ミリ・フィルム、16ミリ・フィルム、VHSテープ、VHD等で出回って以来、世に出ることもなく“幻”とされ、ファンの間では以前からDVD化を待望されていたもので、今回ついに復活したことは、なによりの朗報と言えるでしょう。
内容は、映像収録用スタジオで多彩な演出を交えたもの(第1,2,3,6,7,8番)、コンサート・ホールに聴衆を入れた“ライヴ形式”で収録されたもの(第4,5番)などに分かれており、製作サイドの「クラシック音楽の映像作品とはどうあるべきか」という、黎明期の映像作品ならではの試行錯誤と創意がうかがえるのも興味深いところです。
もっとも気になる第9番ですが、これまでディスコグラフィ等で「1970年」と紹介されていた収録年が1968年1月&2月と判明。会場はフィルハーモニーですが、凝ったカメラ・アングルやコラージュなど様々な映像演出が施されており、同じくカラヤン自身の演出とクレジットされている第4番と第5番が通常のコンサート中継スタイルに接近していることを考えると、非常に興味深いところ。もっとも驚かされるのは、第2楽章の反復以降がモノクロに転じる部分ですが、DGによればこれは意図的な演出とのこと。他にも、第3楽章では照明を変えて陰影を強調したり、第4楽章では部分的にコーラスを舞台後方の客席に配置して広大な空間性を演出したりと、「音楽をいかに視覚化するか」という命題に対するカラヤンの苦心とアイデアが随所にうかがえます。
演奏は、この時期のカラヤン&BPOならではの圧倒的な勢力がとにかくすさまじく、その奔流と言いたくなる強烈な流動感に息を飲まされます。豪華なソリストも聴きもので、特に清純をきわめたヤノヴィッツの美声と、パワフルなベリーの歌唱が印象的です。