| No.1749 | 投稿日時: | 2006/02/05(日) 14:43 <親記事> |
| 投稿者: | Tuba_Trombone |
岩城宏之さんの本(音の影)の中に、少しお話がありました。
ぼくが、22〜23歳の頃、カラヤンがベルリンフィルハーモニーと初の日本旅行をした。最終音楽会は、ベルリンフィルとNHK交響楽団の合同演奏会だった。その練習のためにカラヤンは一日N饗を指揮したのだが、ふと気が向いたらしく、指揮研究員の外山雄三とぼくの二人に、N饗を使ってレッスンをすると言い出した。やりたい曲をやれと言うので、ぼくは「英雄」にしたのだが、冒頭でいつもカラヤンがする動作をした。両手を振り下ろし、ブルブルと痙攣させる。その一秒ぐらい後に、オーケストラがジャンと大きな音を出す。この格好のいいのを、そのままやったら、カラヤンは、「だめだ、だめだ。そんな振り方では、オーケストラが出られない。〔一・二・三〕と心の中でリズムをとり、〔三〕の時に息を吸って、次の〔一〕に吐き出すと同時に手を下ろすのだ」 模範をやってくれた。
その晩のカラヤンとベルリンフィルの音楽界は、《英雄》だった。
あきれた。みごとに、人には禁じたことをやっていた。